30周年記念イヤーを飾る19thアルバム
オーディナリー・ライフ
わるどん的全曲解説


 01. 鼓動(作詞・作曲:YO-KING / 編曲:佐橋佳幸)

「21世紀型のフォークソング」とのこと。三ツ星団編成でのアコギとアコーディオンの優しい演奏が素敵。語りかけるような歌い方、「カボス」「ドクンドクンと」「お札の匂い」という、これまでの曲にはあまり見られない歌詞が新鮮。

 02. 夢ってどんな色してるの(作詞:河邉徹 / 作曲:杉本雄治 / 編曲:WEAVER&佐橋佳幸)

若手のWEAVERが作詞作曲の作品。若い時の夢と時を超えた想い、前半ほろ苦くも後半に広がりと力強さが加わるメロディ。シングル単体ではそれほど感じなかった心地よい響きは、1曲目の「鼓動」の後だからか。

 03. 今夜がチャンス(作詞:河邉徹 / 作曲:杉本雄治 / 編曲:WEAVER&佐橋佳幸)

レーベルの先輩THE MODSの森山達也さんが作詞作曲したロックな一曲。「森やんが『美里のワルな部分を書いた』と。出来上がった曲を聴いてヒューと声を上げた」演奏とコーラスがとにかく豪華、生で聴くとさらに楽しい。

 04. 涙を信じない女(作詞・作曲:山口隆 from サンボマスター / 編曲:佐橋佳幸&奈良部匠平)

サンボマスターの山口隆さんとの異種タッグが実現。パンクなメロディで突っ走るかと思いきや、突然のレゲエという不意打ち。そして奈良部匠平さんの弦アレンジはいい味を加えている。今まで聞き慣れないタイプの曲だが聞くほどに味が出る1曲。

 05. 点と線(作詞:森雪之丞 / 作曲:木根尚登 / 編曲:佐橋佳幸&山本拓夫)

歌詞一本で勝負する森雪之丞さんのクールな歌詞と「曲をお願いすると何曲も出してくる」木根尚登さんの曲が合わさり生まれたR&B。ドラム高橋幸宏さん、ベース小原礼さん、美里サウンドをドシッと支えるホーンセクションの演奏は聴いてて気持ちよい。

 06. オーディナリー・ライフ(作詞:渡辺美里 / 作曲:渡辺美里&佐橋佳幸 / 編曲:森俊之)

ぼくの中のメロディという歌詞は「Lovin’ you」からつながる。ありふれた日常への想いをこめた歌声とゴスペラーズのパワフルなコーラスは「A Natural Woman」にどこか重なる。アルバムの核となるタイトル曲。

 07. A Reason(作詞・作曲:大江千里 / 編曲:佐橋佳幸)

「今回のアルバムは30年を振り返るだけでないものにしたい」と。数々の名曲を共に生み出してきた大江千里さんの作詞作曲の曲があるのは嬉しい。切ない想いを上手く表現していて、千里さんはやはり稀代のJ-POPライターだなと思う。

 08. Glory(作詞・作曲:Caravan / 編曲:佐橋佳幸)

Caravanさん、この曲を聴くまで知りませんでした。でも、自然と平和を愛するサーファー・旅人的な視点の歌詞、そしてどこか孤独・儚さも感じるメロディ。それでも聴き終わると、未来への希望を感じる。美里のいい曲への想いが伝わる1曲。

 09. 真っ赤な月(作詞:片寄明人 / 作曲:伊秩弘将 / 編曲:有賀啓雄)

美里曰く「伊秩弘将さんが30周年ということで、気合入れて歌うのが難しいバラードを作ってきてくれて。また、作詞の片寄明人さんは、結論がない、なんともやるせないしどけない(なぜこんなに)女心を書けるのだと思える歌詞を書いてくれた。」

 10. 青空ハピネス(作詞:渡辺美里 / 作曲:伊秩弘将 / 編曲:清水信之)

他の人がやったら問題になるような、過去の美里の曲のエッセンス、演奏の一部も取り入れられた、長年のファンならクスっとしてしまうような、21世紀型の『恋したっていいじゃない』ともいえる明るい曲。清水信之さんのアレンジが生きている。

 11. Hello Again(作詞・作曲:Caravan / 編曲:佐橋佳幸)

8曲目に続き、Caravanさんの作詞作曲。「祈りのような世界観、音もアンビエントな雰囲気にしてみた。新たな出会いに感謝」(美里談)。溝口肇さんのチェロの音色と美里の声が合わさると、まさに「たゆたう」感じに聴こえる。

 12. ここから(作詞・作曲:大江千里 / 編曲:本間昭光)

大江千里さん作、美里30周年記念イヤーの幕開けを飾った1曲。しかし、アルバムのラストにあると、シングルの時とはまた違った意味を持ち新たな輝きを放つ。これまでの歩みを振り返りつつ、再び歩き出す力強さをより感じられるからかもしれない。






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